高額経費のかかるスポーツ産業

野球

スポーツ産業は夢を提供する役割も担っています。例えば野球の場合、多くの少年が将来プロに入って活躍したいと考えて日々練習に励んでいます。プロの場合、超一流選手になりますと年棒も億単位となり、球団にとっては負担も大きくなります。

もちろん、そういった超一流選手が年棒通りの活躍をし、球場に多くのお客さんを呼ぶことが出来れば入場料の収入も多く入って経営の苦慮をする心配はないのですが、チームの成績が芳しくなく、観客動員が伸び悩むと高額経費が負担となって経営を圧迫してしまうのです。

こういったジレンマはスポーツ産業につきものです。かつて、関西に本拠地を置くパリーグの球団が3つあった時代、3球団の観客動員が伸びず、阪急、南海が身売りをするという事態にもなったのです。阪急に至っては昭和50年代前半に日本一にもなったにもかかわらず、同じ関西での人気はセリーグの阪神タイガースの独り勝ちといった状態になったことからも、スポーツ産業の複雑さを垣間見ることが出来ます。
勝つだけではお客さんを集めることが出来ず、お客さんを集めて収入を上げるためには別の要素が必要だということなのです。「ファンを魅了する野球」というのが何かというのは難しいですが、そういった魅力をファンに与えることで収益アップが見込めるとも言えます。